『空飛ぶ円盤の秘密』

Posted at : 2013年 / 02月 / 12日
「空飛ぶ円盤強化週間」を謳ったわりには結局2冊しかネタに
できなかったな。まあいいや。

T.B.パウリツキー『空飛ぶ円盤の秘密』(1985年 講談社文庫)です。

UFOマニア系のサイトでもほとんど取り上げられることのない本。
表紙の画像すらほとんど出てこない有様ですよ。アマゾンの
マケプレで1円だったので買ってみました。

パウリツキーなんてなんとなくロシアの科学者みたいな表記ですが
カナダの人。綴りはPawlickiですんで多分東欧系の人(チェコ
あたり?)ですね。欧文でぐぐっても本屋のサイトしかヒット
しないので、単なる無名のトンデモライターだったようです。
3冊ほど著書があり、そのうちひとつは「高次時空探訪法」的な
原題です。ああもう典型的なトンデモさん。

ちなみにこの本の原題は"How to build a flying saucer"。
直訳すると「空飛ぶ円盤の作り方」。1985年の時点でもう
「空飛ぶ円盤」なんて言葉はちょっとアナクロな響きを帯びて
ましたから、ずいぶんと古臭い邦題を付けたもんだと思っ
ちゃったんですが、わりと原題活かしのタイトルなんですな。

で、本文中でも一章を割いてまさに「空飛ぶ円盤の作り方」を
縷縷説明してはいるんですが、そもそもの基礎理論が「ぼくの
かんがえたあたらしい宇宙のほうそく」なので、常人には
まあ理解不能です。カナダの清家新一さんです。一見それらしい
科学タームを散りばめてシロウトを煙に巻こうとしている辺りも
よく似ています。

まあ結論からいうと今更読む価値もない、つまらんトンデモ本。
UFO・オカルトブームの末期に、ソレ系の本ならなんでも出版
されちゃってたある意味幸せな時代の徒花みたいな本なんですが、
あまりにもこの本についての記録がネット上にないので、
ボランティア気分で記しておきます。

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『世界の円盤ミステリー』

Posted at : 2013年 / 02月 / 07日
まったく唐突でなんなんですが、個人的に「空飛ぶ円盤強化週間」に
突入しまして。「UFO」ではないです。いわんや「エイリアンクラフト」
だの「ウルトラテレストリアル」なんて小賢しい呼び名はお呼びでない
のです。古式ゆかしい「空飛ぶ円盤」。これ。1970年代くらいまで、
謎の飛行体はおしなべてこう呼ばれていました。四人囃子が
『空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ』をリリースしたのが75年ですか。

ということで古本で買いました。
『世界怪奇スリラー全集6 世界の円盤ミステリー』
(秋田書店刊・1968年初版・1972年16版)

著者は元SFマガジン編集長にして本邦超自然現象研究の泰斗南山宏。


イラストが味わい深すぎます。

基本的にテキスト主体で三大クラシックからソコロ事件、フラット
ウッズ事件、ホプキンズヴィル事件といった現代でも依然有名な
事例の数々、当時隆盛を極めていた(なぜか)ブラジルで多発
していたアブダクション事例、当時の情報速度だとまだホヤホヤに
ホットだったヒル夫妻事件など、子供向けのくだいた文体ながら
南山さんらしい(一次ソースに)極力正確を期した叙述になってます。


1958年、スウェーデン・ヘルシンクボルグに現れたアメーバ状
宇宙人に襲われる男たち! この時代の宇宙人は外観も個性豊か。

ちなみに近年の円盤事例のエース格である「ロズウェル」は
この本には1文字も出て来ません。1980年くらいまで、世界の
どの研究家も、そんな町の名前も円盤墜落事件のこともとんと
聞いたことなかったのです。

やはりこの時代「空飛ぶ円盤」と言ったらアダムスキー型!

透視図はやっぱり萌えますね。「食事室」とか「寝室」とか
意外に居住性いいのねアダムスキー型w

なぜか近年のUFO本ではほとんど言及されることのなくなった
「葉巻型母船」! 退役しちゃったのか?


「これが円盤の月面基地だ!」

いやーやっぱりいいですね、昭和期のこういう怪しい文化。
こういう本、もっと買い集めたいんですけど高いんですよねー。
すっかりプレ値になっちゃって……。この本は安かったですけど。



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『おジャ魔女どれみ16』

Posted at : 2012年 / 01月 / 14日

昨年12月に講談社ラノベ文庫(しっかしヤル気のないレーベル名)の
ローンチタイトルの一冊として出ました『おジャ魔女どれみ16』、
読みました。

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ヴィジュアル版クトゥルー神話FILE

Posted at : 2011年 / 11月 / 09日

一ヶ月くらい前に出たコンビニ本。近所のコンビニで見かけて
つい買ってしまいました。入れ替わりの激しいコンビニ本棚で
一ヶ月も棚晒ししてるって、のんきなローソンだなしかし・・・w

多分三年くらい前に出た「クトゥルー神話の謎と真実」の再編集本かと
思うんですが(そちらは読んでません。間違ってたらゴメンナサイ)、
元本が100ページちょっとしかないのに対し、こちらはたっぷり増量
250ページ以上でしかもオールカラーと贅沢な作りです。

美麗なイラストで邪神たちや魔道士たち、あるいは魔道書の数々が
並ぶカタログ構成は、眺めているだけで楽しいです。編著は
同じ学研で『神話事典』を手がけた東雅夫先生だし。ややダーレス
系のネタにウエイトが置かれすぎてる気もしますが、中高生にも
手に取ってもらおうと思えばこうならざるを得ませんか。

往年の少年雑誌風を狙った巻頭口絵は企画としては面白いんですが、
絵が美術学校の学生さんという感じで、石原豪人先生や小松崎茂
先生の胸踊る筆致には遠く及ばないのは致し方なし。
とまれ、資料集としてもイラスト集としてもこれで600円なら
お釣りが来るクォリティだと思いますハイ( ̄▽ ̄)



ついでにアマゾンヲチ。
figmaまどかがいよいよ事実上の半額割れ。いぇふー!
駿河49%offの1775円! 
リーネちゃんも44%offで2000円を割り込みました!



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全怪獣怪人(上巻)

Posted at : 2011年 / 09月 / 17日

ちょいと仕事がらみで、本邦のテレビ白黒時代のヒーロー・悪役に
ついて調べてみたくなり、古本屋さんで買いました。70年代から
ケイブンシャがずっと出していた怪獣怪人百科の総括版として90年に
出た本です。

2002年に勁文社が倒産、その後この種の番組のスチール使用料が
バカみたいに高くなり、こんなふうにあらゆる製作会社の怪獣の
写真がずらりと並ぶなんて本はもう二度とできないと言われています
(この出版不況の昨今、本も製作コストがかかりすぎるとペイできません。
以前某中堅どころで特撮系ムックのお手伝いを少しだけさせてもらった
ことがありましたが、まあ写真使用料の高さに編集者の愚痴るまいことか)。

そんなわけで、けっこう貴重な本なのかと思いきや、さほど状態の
悪くない本でも1000円ほどでした。今回は主にナショナルキッドや
少年ジェットあたりの素朴系ヒーローの記事や資料が欲しかったわけ
ですが、ウルトラマンのような超メジャータイトルから超どマイナーな
「魔神バンダー」まで、60年代〜70年代の味わい深すぎるヒーロー、
怪人、怪獣が延々と居並ぶ壮観な誌面は、ページをめくっていると
ついつい仕事も時間を忘れてしまいます。
収録作品についてはWikipediaをどうぞ。


今日のお買い物もうひとつ。
ソフマップ池袋のワゴンで、PQIのマイクロSDHC 8GB(Class4)が
780円。ラジオ録音用におひとつ確保っと。


それにしても、今週もカオスでした『ジュエルペットSS』。

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『ザ・ストレイン』

Posted at : 2011年 / 07月 / 30日

秋葉鮫隊長オススメの一冊。『ミミック』『ブレイド2』など
ホラーやアクション映画で名を上げ、ついには『ホビットの冒険』
の監督に指名された腕利き映像作家ギレルモ・デル・トロ
(ラヴクラフト『狂気の山脈にて』を映画化というガセネタも
ありましたねえ…)。彼が自ら企画したテレビシリーズ用の
プロットを、俊英サスペンス作家チャック・ホーガンと共作で
長編小説化したもの。うーん面白かったです。

ニューヨークの空港に着陸した最新鋭大型旅客機が、突然すべての
応答を断ち、沈黙する。事故か? テロか? 未知の疫病か?
緊迫する空港。一斉に動き出す各方面の治安維持機関。このあたりの
重厚なリアリティあふれるツカミの巧さは抜群で、一気に引き
込まれます。

疾病対策センターの有能なエージェントである主人公イーフ・グッド
ウェザーも、伝染病あるいは生物兵器の可能性の懸念から、現場に
招集されます。女相棒とともに機内に入ったイーフが見たものは、
一切のパニックの痕跡もなく、しかし一人残らず死に絶えた
乗客達の姿でした……



以下ネタバレ。



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『懐かしい町のレトロな喫茶店』

Posted at : 2010年 / 11月 / 26日

最近ときどきやっている、「アマゾンのおすすめから適当に本を買って
みるプレイ」で注文しました。2年くらい前に出た本です。

最近流行の、古い家屋を改築してカフェにした「リフォーム喫茶」を
中心に、東北から南九州まで味わい深い喫茶店を取材したカタログ本。
もっともそーいうお店はたいがい最近の開店ですし、専門のインテリア
業者が改装してますから、もれなくセンスがオシャレです。「レトロ
な喫茶店」というタイトルでわしが想像していた、本当に昔ながらの
業態で経営しているような喫茶店はあまり載ってないのはちょっと
予想外でした(この辺は立ち読みできないネット通販の痛いところ)。

とはいえ、歴史的な町屋や商家を改装した純和風建築のカフェという
のはやはり雰囲気があっていいものですね。中には昭和初期の銀行や
農協の建物を改築した変わりダネ喫茶店もあって、見ていて飽きません。

こういう、古い建築物を古いからという理由だけで取り壊すのでは
なく、センス良く再利用している人が日本中にいるというのを目の
当たりにすると、ほんとの意味で日本は豊かな国になったのだなあ
と思います。うちの近所にもこういう店が一軒欲しいなあ。


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あれっ、アマゾンの配送料が

Posted at : 2010年 / 10月 / 07日

おりょ、アマゾンの古本(マケプレ)配送料が、いつの間にやら
値下がりしてますね。以前は文庫本だろうと辞典だろうと一律
1冊340円でしたが、現在250円です。このご時世に100円近く
値下がりは嬉しいですねー。古本がずいぶん買いやすくなりました。

トップページやヘルプページには特にアナウンスがないようですので
期間限定キャンペーンとかではないみたいですね。よっしゃー、
買うぜ古本!(新品も買えよ!)


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『大宇宙人―銀河宇宙人大百科』

Posted at : 2010年 / 06月 / 23日

明日が「UFOの日」だからってわけじゃないんですが、今日の一冊。
太陽出版の21世紀BOXというムックのシリーズ。

よくあるヲタク向けのUFO本に較べると、いかにもザ・サブカルって
感じのデザインですね。イラストも狙った感じのヘタウマ調ですが、
中身はタイトル通りの宇宙人百科。記事やコラムの内容はほぼ
中村省三『宇宙人大図鑑』(グリーンアロー出版社)や、並木本から
引き写してきた感じです。

70年代ロックとUFO・エイリアン神話との関連を解説したコラムは
ムー系とは一味違って面白かったですが、ぶっちゃけコレが書き
たくてこの本企画したんじゃないかと( ̄▽ ̄)まあそんな感じです。

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偽書「東日流外三郡誌」事件

Posted at : 2010年 / 06月 / 16日


朝までブラジル×北朝鮮見てまして、ちょっと眠いです。

まあそれはそれとして、面白かったです。
斎藤光政『偽書「東日流外三郡誌」事件』(新人物文庫)。
2006年の単行本を文庫化したもの。

正直言いますと、『東日流外三郡誌』を始めとした一連の「和田
文書」について初めて知ったのが、原田実さんが「と学会」で
発表したレポートでして、『東日流…』なる文書が70年代に大
ブームを巻き起こしていたこともよく知りませんでした。

90年代のある裁判をきっかけに、当時青森の地方紙記者だった著者は、
この壮大にして呪わしい架空史書が、いかに多くの人に影響を与え、
地元自治体を振り回してきたかを追い続けることになります。

事件のあらましだけを知りたければ、原田実さんの簡潔にして意を
尽くしたレポートがありますのでそちらがオススメですが、こちらは
11年にわたり関係者に取材し続けた渾身のルポルタージュ(ちなみに
原田さんご本人も、重要な取材パートナーとして本書に登場します)。

端的に言うとこの事件、和田喜八郎という天才的な詐欺師が、
次から次に「歴史上の大発見」である文物を捏造しては、
半世紀にわたって人のいい自治体や個人からカネを巻き上げていた
というだけのもの。

それがなんで何十年も法的処罰もされず、被害者が陸続と現れる
ことになったのか。事件を報じる著者は、その要因に淡々と
光を当てていきます。

「捏造と知りつつ補強に加担する悪質な史学ゴロの存在」
「偉い先生のお墨付きがあるらしいから、とよく調べもせずに
飛びついてしまう自治体」
「同じくよく調べもせずに無責任なセンセーショナリズム記事を
書き飛ばし続けたマスコミ」
「議論にも値せずと黙殺を続け、世間への警告を怠った学界」
「中央への絶えざる不信とコンプレックスを持つ東北人の心性」

こうした要素が絡まりあい、「和田文書」は小さな山村から巨大な
神話へと膨れ上がっていったようです。

記者出身らしく平易な文章で、一気に最後のページまで読ませて
しまう好著ですが、ただ一点不満を挙げるとすれば、著者はついに
最後まで和田喜八郎本人に直接取材ができなかったということ
でしょうか。事実上の取材拒否を受けていたとはいえ、この点は
和田の死の直後、著者自身も深く悔いている場面があります。

事件自体もたいへん面白いのですが、おそらく読者の多くは、
半世紀の間、日本中に向かってしょーもないウソをつき続け、
ついに一度たりとも己の非を認めることなく死んでいったこの
怪人の人となりに、より興味を引かれたのではないでしょうか。
少なくともわしはそうです。

わし個人は、多分この人は一種のサイコパスだったのだろうと
思います。ウソをウソで塗り固めることになんの衒いも覚えず、
最後には自分のウソを信じ始める。いいかげんなウソをあまりに
平然とつくので、聞いている方が混乱し不安になってしまう。
そしてそんな異様な人格は、ある人々にとっては実に魅力的に
映る……。生前の和田本人に誰も取材していないというのは、
これはこれでまたひとつの文化史的損失だったかも知れません。


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