『日本映画ポスター集 ピンク映画篇』

Posted at : 2006年 / 09月 / 07日


古本屋で買ってきたっす四冊目の『日本映画ポスター集』
今回は『ピンク映画篇』

ワイズ出版の目録には80年代前半のものを集めたとある
けど、いちおー60年代末から70年代のレトロな味のある
ものも十数点収録してある。

もちろんメインはアダルトビデオ前夜、ピンク映画最後の
盛りだった80年代前半のポスター。若い人が見たらこれらも
充分レトロなんだろうけど、わし的にはこのあたりの絵柄
デザインは中途半端にモダンで、あまりピンと来ない。

やはり日本のポスター文化は80年代から「現代」につながってる
気がする。デザイン感覚とか写真フイルムの画質とか印刷とか。
70年代まではそれらすべてが外国のように前近代的なのだ。
だからこそ個人的にグッと来るのだが。

日活ロマンポルノは別に独立した一冊があるので、本書には
東映、新東宝、ミリオンフィルムなどの作品を主に収録。
80年代のポスターは、強いて言えばミリオンが若干ダサめで
味わいがあるものの、いずれも似たり寄ったりで強い個性はない。

やはりたまらないのは序盤に収録された若松孝二作品や、
とてつもなくセンスの悪いコラージュと飾り罫が特色の
70年代東活ニュー・エロチカのポスター。

本シリーズは基本的に公開年代順に並んでいるのだけど、
最後(84年頃)の方に突然またどえらく古臭い人工着色の
大蔵映画ポスターがあったりする。調べたら、70年代後半に
製作された映画のリバイバル上映があった為のようだ。
橋本杏子や菊池えりのページをめくっていきなりコレが出てくると、
前述の「前近代性」の壁にガツンとぶつかってある意味
ショッキングだ。

特に大蔵映画ポスターは『アナーキー篇?』でも群を抜く
写真の悪さ、印刷のダメダメさで突出したキッチュさ
がよくわかる会社だけに、編者のこの「狙った」編集センスに脱帽。
またキング・オブ・キッチュ=大蔵貢の感性はピンク映画の
ポスターにまで行き渡っていることを改めて再認識させられる。

…いや、単にコストダウンを徹底した結果なのだろうけれどw

それにしてもこのシリーズだけで500枚以上のピンク映画の
ポスターが収録されてるはずだけど、ネットを見るとまだまだ
漏れている作品がたくさんある。70年代の作品を中心に補完本
出してくんないかなあ。ワイズがダメなら近代映画社でもいいから。

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