ポートレートとシャッター音

Posted at : 2006年 / 09月 / 21日
天才アラーキーの写真の方法』を読み直していると
第二章にシャッター音の効果について語っている箇所
があった。ライカは「音が浸透していくわけ、相手の
女の肌に」。対極にあるのがペンタックス6×7の
巨大なシャッター音で、これは政治家なんかを撮るのに
向いていると。

ライカで女性の肌を撮るなんて粋なことはしたことない
から実際はどうかわかんないけど、モータードライブの
音がモデルを気持ちよくする効果ってのは、確実にある
と思う。

雑誌なんかだと、ニコンやキヤノンの最高級機のシャッター
音を「品位がある」とか言ってよく褒めている。確かに
ニコンF3やEOS-1の巻上げ感触の切れ味はゾクゾクする。
ただ、それは飽くまでもユーザーの快楽。ポートレートの
武器としてはまだ弱いのでは、とわしは思う。

ワタナベ校長の平成ハレンチ学園級のうっすーい経験しか
ないので我ながらあんまり説得力ないけれど、ポートレート
のモータードライブ音はデカければデカいほどイイと思う。

その点、中判カメラはむやみにうるさくて最高だ。

マミヤ67は「がぽっ、がーっ」という感じであまりキレは
ないけど、とにかくボディが巨大で迫力がある。編集者時代に
お仕事させていただいた某カメラマン氏はアレを手持ちで
ぐいぐい女の子に迫っていき、毎月傑作を量産していた。

マミヤ645PROやペンタックス645はもうちょっとキレがあって、
屋外でも聞こえよがしな「がしゃきゅーん!」という巨大な音は
サンゴーとは違う独特のリズムがあっていいものだ。
90年代はこの二つがグラビア業界の主力だったけど、今は
どうなのかな。

AF時代になってモーターの性能がよくなり、サンゴーカメラの
シャッター音は軒並み大人しくなったけど、AF第一世代のプロ機
ミノルタα-9000のモータードライブは素晴らしかった。AF機
唯一の外付けモードラを採用、秒5コマは当時としてはトップ
クラスの高速ドライブだったが、作動音もケタはずれにデカく、
ショックもビンビン手に伝わってくる。ときどきジャムったり
するところまでじゃじゃ馬の機関銃みたいで、実に楽しかった。
「ガキュガキュガキュッ!」という粗暴なシャッター音はモデル
ちゃんからもなぜか好評だった記憶がある。

ついこの間まで現用だったモードラで最も荒くれなのは、ニコン
のMD-12だろう。FM、FEシリーズ共用のモードラで、先日惜しまれ
つつディスコンになったFM3Aにも取り付けられた。一コマごとに
ごつい歯車やカムが全力で回っているような凄い音がするので、
軽快なスナップシューターの意味がなくなると、ニコ爺たちからは
必要以上に嫌われているアクセサリ。しかしこれこそ女の子撮りには
今最適なのでは…なんてふと思ったりする。「かきゅん!」という
甲高いメカ音は、力ない中級デジタル一眼のシャッター音に慣れた
耳にはなかなか頼もしいのだが。問題は、自動巻き戻し機構が
付いていないというポートレート撮りには致命的な欠点なんだけど(^^;

つーことで今日のBGMはカヒミ・カリィの"Zoom up"。
♪I can't stop my motordrive!

※画像と記事は関係ありません。


(EOS20D + EF28mmF1.8)

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