『黒の船』

Posted at : 2010年 / 05月 / 17日


つーことでアマゾンで45%offになってます『ウォッチメン』コレクターズ
ボックスが届きました。

これ、何が楽しみだったかというと、特典ディスクに収録されている
短編アニメ『黒の船』。原作コミックの中で、劇中劇として読まれている
海賊コミックをアニメ化したもの。悪霊たちが乗り込んだ地獄の海賊船
「黒の船(ブラック・フレイター)」の恐怖を描く、冒険というより
ホラーに近いストーリーですね。原作では非常に印象的なインサートを
されている短編ですが、本筋とは無関係なので、映画版ではバッサリ
カットされている部分です。

『ウォッチメン』という映画自体が80年代にこだわった作品ですので、
このアニメも、わざと80年代のレトロなアニメっぽく仕上げてあり
ますね。韓国の会社に発注したのがいい結果につながっていると
言いますか。オチの演出が原作とちょっとだけ変えてありまして、
そこはちょっと安っぽかったな。エンドテーマ曲は、タイトルの
元になった『三文オペラ』からのもので、カッコイイですけどね。

もう1本収録されている映像は、85年に放送されたという設定の、
架空のテレビショー。75年に放送された、初代ナイトアウルこと
ホリス・メイスンのインタビューの再放送、というややこしい
設定です。番組のタイトルロゴや出演者のメイクも、それぞれの
時代をリアルに再現していて、なかなか見応えがあります。

間に挿入されるヴェイト社の香水のCMはオリジナルで制作された
ものでしょうが、これも80年代ぽくていいですねえ(予算の都合上
ややチープですが)。他のCMは、おそらく当時アメリカで実際に
流されていたもののようです。セイコーのデジタル時計のCF映像が
使われててビックリしますが、あれは多分70年代のものじゃないかな。
85年の番組という設定ですから、CMパートも80年代のものじゃないと
ヘンなんですが…

極めつけは、原作の第一章をそのままフラッシュアニメ化した
「モーションコミック」。フラッシュアニメといっても、やっぱり
プロの映画屋が演出するとすごいですね。台詞もサントラもついて
るし、思わず見入ってしまいました(ただし台詞は全部一人の俳優
さんが朗読してますので、女性キャラも男声です( ̄▽ ̄))

ウワサでは、アメリカだと4時間近い本編完全版DVDが出てるそうなん
ですが、日本では出ないんですかねえ……


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『パニッシャー: ウォー・ゾーン』

Posted at : 2010年 / 05月 / 17日


これまたスターチャンネルプラスで。

マーヴェルきっての暴力ヒーロー「パニッシャー」の映画化はこれで
3作目ですな。89年のドルフ・ラングレン版はコミックガン無視の
愚作、04年のトム・ジェーン版は21世紀にもこんな破綻した映画が
作れるという悪例として映画の教科書に載せたいほどの駄作でして、
これも期待しないで見たんですが、いや面白いじゃないですか。

脚本が二転三転して製作難航、ついには脚本家がクレジットから
名前削除を求める騒ぎがあった映画でありまして、ほぼ例外なく
そーゆー作品は、筋立てからして支離滅裂のクズ映画になってしまう
んですが、コレは前作(といってもストーリーのつながりはナシ)が
特級品のクズだったおかげで、実に得をしています。

ていうか
・そこそこお金かかってる
・全体的に映像がキレイ
・笑っちゃうほど人が死ぬ

この3点において、わし的にはこの映画は充分佳作です。

ドイツの女流監督レキシー・アレクサンダーの演出はスピード感と
キレがあるばかりでなく、「なにこれゾンビ映画?」と思うほど
血飛沫が飛び散り、肉体がズタボロに破壊されます。

冒頭、パニッシャーことフランク・キャッスルは、マフィアの宴に
乱入するのですが、いきなりブチ殺すのは車椅子に乗った老人の
ゴッドファーザーと、その妻らしき女です。ギャングに籍がある
限り、老人だろうと障害者だろうと女だろうと問答無用です。
情報を喋ったチンピラも、命乞いしたってムダです。屋上から
投げ落として柵に串刺しにし、まだ息があると見るや、その上に
飛び降りて首をへし折ります。もうムチャクチャです。

敵の設定もイイです。前作はジョン・トラボルタがワケのわからない
ボスをヤル気なく演じてましたが、今回はこないだ地上波でやった
『300』でスパルタの汚職議員やってたドミニク・ウエストが、
廃ガラスの処理機械に巻き込まれて顔がパズルみたいになってしまった
ギャング「ジグソウ」をいいテンションでやってます。中ボスに
あたるその弟は、格闘技の達人にして食人癖があるというド変態
キャラで、これまた最高!

クライマックスは、人質を救うべく、パニッシャーは完全武装した
ジグソウの部下数十人が待つビルに飛び込みます。ここでも期待を
裏切らず、大虐殺です。もうお腹一杯です。

レーティングのうるさいこの時勢、しかも大メジャーであるマーヴェル
公式原作の映画で、80年代スプラッター映画ばりの肉体破壊をやり
つくしたアレクサンダー監督、多分アタマおかしいですこの人。
しかしこの超暴力演出は、「パニッシャー」だからこそ許され、かつ
意味のあるものだったとわしは思います。最近のふぬけたアクション
映画にゲンナリしているスプラッター洗礼世代には実に痛快です。

脚本は難航した割にはそこそこまとまっていまして、気になったのは
クライマックス近辺の刑事たちの動きがゴチャついているところ
くらいです。あ、乱入したロシア・マフィアがほっぽりっぱなしなの
もちょっとアレでした。というか、脇役の刑事キャラ2人に、ともに
魅力がなかったのは、今後の監督の課題でしょう。

パニッシャー唯一の相棒の家で、年老いたお母さんが完全に痴呆に
なってて、終幕近くでそのお母さんが顔吹き飛ばされて死んでたり、
非常に人をイヤな気分にさせるいいセンスを持っている監督なので、
そのあたりは大いに伸ばしていただきたいものですハイ。光や色の
使い方などは冗談抜きでかなり上等ですし。


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