『WORLD WAR Z』

Posted at : 2010年 / 06月 / 03日


面白かったなあ『WORLD WAR Z』。ひさしぶりにページを繰る手が
止まらない本でした。

かの喜劇王メル・ブルックスの息子マックス・ブルックスが著した、
疑似ドキュメンタリータッチのエンタテイメント・ホラー小説。

映画でおなじみの「ゾンビ」。もしあれが本当に現代社会に起こったら。
感染はいかにして全世界に広がるか? 感染後の社会はどうなるか?
人類はいかにして、人肉を食らうことだけを目的に行動する「生ける
死者たち」に対抗しうるか?

「ゾンビ戦争」終結から十年後。悪夢の時代を生き抜いた人々への
インタビューという形式で、物語は進行します。アウトブレイク発生
源である中国僻地に端を発し、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米、
中東、日本、そしてアメリカ合衆国。あらゆる国家、民族、階層の
人々が、それぞれの立場から、恐怖と狂気の体験を振り返ることで、
「対ゾンビ世界大戦」の全容が鮮やかに浮かび上がる見事な構成。

やはりアメリカ人が書いた小説ですから、アメリカについて最も
詳細に書いてあります。伝染病についての認識と対策が遅れた
合衆国は、国土の大半をゾンビに侵され、ロッキー山脈を防衛線と
して、山脈以西の地域を戦時国家として再建する要に迫られます。
人口は激減、かつての豊かな消費生活を支える輸入資源も断たれ、
「アメリカ社会」は産業構造の大転換を強行せざるを得なくなります。
富裕層を構成していた「アナリスト」やら「コンサルタント」やら
「経営者」やらはもう役立たず。全員農業か武器や必需品製造工場で
働け、という具合で、このあたりの皮肉な視点は、コメディ番組の
脚本家ならではです。

もっとも最初にゾンビに対しての反撃戦を国際社会に提唱するのも
アメリカ大統領。最も効果的な対ゾンビ兵器と戦術を開発するのも
アメリカ人と、アメリカ人がやっぱりいちばんカッコいいのはまあ
仕方ないところでありましょう。

ゾンビへの反攻方法が、いろいろお国柄を反映しているところは
実によく書けてて面白い箇所です。

アメリカはとにかく物量戦。対ゾンビに特化した制式ライフルを
開発し(物資が充分でないのでところどころ木製)、弾丸もすべて
統一規格にし、それを山のように生産。それらを兵士に絶え間なく
供給し、隊列を組んで撃ちまくる。米軍が誇った大火力戦車や
ハイテク戦闘機は、貴重な燃料資源消費に対してゾンビへの効果が
薄すぎるとホコリをかぶってしまう、というあたりがミソ。
それにしても、アイアン・メイデンの"The Trooper"をマーチ
代わりに米軍(といってもほとんどが市民兵)が行軍していく
場面は、想像すると燃えざるを得ません。

ロシアは旧ソ連時代に山のように備蓄された兵器類をあるだけ
引っ張り出して、ムダと犠牲を山ほど出しながらやみくもに進軍。
またこの反撃戦の課程で、ロシア共和国は宗教帝国へと変貌して
いくという設定がまた愉快。

ヨーロッパ戦線についてはあまりページは割かれていませんが、
火器の不足を、剣や棍棒といった中世兵器を再利用で補うという
あたりがなんとなく呑気です。何しろ銃弾ももうそこらで買えま
せんから、近接打撃兵器は作中、多くの国(含む日本)で有用性を
認められ、米兵は自主的に工具を改造して「ロボトミーくん」と
いう武器を量産しはじめることになっています。以下はその実物。



日本人がどうしたか、というあたりもちゃんと書かれてまして、
詳しくは読んでのお楽しみ。あまりカッコよく描かれていないのは
残念ですが、人口に対して国内保有火器があまりに少ない、という
日本社会の現状をきちんとふまえて書かれています。

一方でイスラエルはちょっとカッコよく描かれすぎだろとも思い
ますが、これは作者がユダヤ人なのでまた仕方ないところ(笑)

パキスタンとイランはパニックの中で相互核攻撃を実行。ここで
発生した核の雲は、ゾンビと並んで地球環境と人類に多大な脅威と
なります(一方で、冬の平均気温を大幅に低下させ、冬期のゾンビ
凍結という恩恵ももちらしますが)。

陸上だけでなく、海にも何百万体というゾンビが沈み、あるいは
浮かんでいるという悪夢的ヴィジョンは非常に鮮烈です。今までの
ゾンビ映画や小説にはなかったものですね。物語中盤の、中国の
原潜を舞台にしたエピソードは、このあたりの恐怖をよく描き出し
ています。もっとも、海水の腐食力や水圧にゾンビがどうやって
耐えているのかという矛盾には、作者も文中で自ら疑問を呈して
いたりします( ̄▽ ̄)

訳者あとがきにもあるように、時にパニック小説、特に戦争小説、
時に正調ホラー小説になる多彩な物語群は、本当に読んでいて
飽きさせません。2100円の元は充分に取れる力作です。

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昭和ちびっこ広告手帳

Posted at : 2009年 / 11月 / 06日


少し前にラジオでライムスター宇多丸が激賞していた文庫本。
文庫本といっても上質紙でオールカラー印刷、部数もそんなには
出ない本だから、一冊1200円もします。いや、最近はこのくらいする
文庫は珍しくないですね・・・

しかももともとハードカバーで出た本で、それは一冊5千円くらい
したそうなので、それに較べたらずっとお求めやすいです。

タイトル通り、昭和の少年少女向け雑誌(主にマンガ雑誌)に
掲載されていた広告を集めた本です。欧米と違い、日本では省みら
れることが少ない古い広告を集めに集め、デジタル化して後世に
残そうという趣旨のもと始まったプロジェクトの果実だそうで、
原板の収集から、デジタル化作業(担当した印刷所のオペレーター
さんからのコメントまで収録されてます!)、掲載に当たって
関係各位への許可を求めたりと、出版には大変なご苦労があった
ようです。

しかしそのおかげで、ただでさえ印刷のよくない当時の原版の、
破損や経年褪色を徹底的に修正した、素晴らしい印刷になってます
(またプライバシー保護の観点から、当時掲載されていた電話番号
は数字がすべて「0」に置き換えられてます)。

個人的にも、最近とみに昭和の広告写真、それも賞を取るような
トンガったやつじゃなく、雑誌にふつーに載ってたようなしょぼい
平凡なやつに凄く興味があって、ネットにあるのを拾ったりして
ました。そんなわしにはナミダちょちょぎれの二冊です。

昭和40年代くらいの、独特のくすんだ色合いのホリゾントで
撮られた、彩度の悪い商品写真とかが、わし大好きなんです。
そーゆー意味ではこの本、一日眺めてても飽きません。ただ、
前述のように子供雑誌からの掲載が主ですので、お菓子類や
おもちゃの広告がほとんどで、もうちょっと家電関係の広告も
あったらなあと思います。

ちなみにラジオで宇多丸が「パンチラじゃねーか!」と笑っていた
カメラの広告は、当時全盛だったコダック・インスタマチック
(現在は規格自体が消滅)カメラのものでした。コダックほどの
世界的大企業の広告に、小学生のパンモロ写真が使われている
というのも時代ですなあ( ̄▽ ̄)


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書物は語る

Posted at : 2009年 / 04月 / 22日
天気予報では「25度を超える夏日になりますよー」なんて言ってたのに
風が冷たくて、あんまり暑くなりませんでしたな。それでもガキんちょ
どもは元気に噴水に飛び込んで遊んでましたが。不死身かお前ら。

先日から取り組んでいる新しい本、おおむね形が見えてきましたが、
もうひとつパンチが欲しいなあ、でもその正解が見つからず、割と
煮詰まり気味。そんな時、昨日また届いた新しい資料本の1冊を
何気なくぱらっと開いたら、まさにそのページに正解がありました。

本をよく読む人や、調べ物をよくする人は誰でも経験のある事だと
思いますが、本てのはこうやってよく自分から語りかけてきますね。

※画像と記事は全然関係ねえってもんでさあ


(EOS20D + EF-S17-55mmF2.8IS)

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あぶねー

Posted at : 2009年 / 04月 / 01日
先日アマゾンで注文した百合歌集『いけないことですか?』、
どーやらよほど部数がないのか、発送予定日の昨日メールが来て、
「取次にねーからさらにあと2週間待ちでよろぴく」だと。

がびーん。
すでに十日待たされて、さらに2週間かよ!
アマゾンの在庫表示を見ると、いつの間にか「通常1~2週間以内に発送」
から「通常3~5週間以内に発送」になってるし、中古本を扱う
マーケットプレイスからも払底。

こりゃジュンク堂で取り寄せ頼んだ方が早いかなー、と昼間店頭で
問い合わせてみたら、ありゃ、こちらも「10日から2週間かかります」
だと。アマゾンと変わらないようなので、「じゃあけっこうです」と
とぼとぼ帰宅。

で、さっきメールチェックしたら、いきなり「本日発送しました」と
アマゾンからの通知が。えええええええ! あっぶねー!
ジュンク堂の在庫次第じゃ、キャンセルしちまうところだったぜ。
んもー、ハッキリしてくれよお!

※画像と記事は関係なくってよ





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ヘンな本ばかり買っている

Posted at : 2009年 / 03月 / 28日
いろいろと資料集めが必要なので、このところアマゾンで古本ばかり
買い漁ってます。一日かけて古書店街を回ったり、出かけた先でふと
見つけた古本屋をひやかす楽しみも捨て難いっすが、「今こーゆー
ジャンルの本が欲しいのよん」て時に、一瞬で日本中の古本屋から
リストアップできて、ポチッとやれば四、五日で(早ければ翌日)
確実に届く便利さはクセになります。

あと、絶版稀覯本とか別にして、おおむね高い本ほど古本でバカ安く
買えるというのも嬉しいっす。資料本って4、5千円するものも
少なくないんで( ̄▽ ̄)

そーいえば先日、面白いアクシデントがあって、ブックオフの
アマゾン店で安い古本買ったですよ。300円くらいの、送料380円の
方が高くついちゃうみたいな本。まあもののついでみたいな感じで
お願いした本だったんだけど、注文確定後メールが来て、
「出荷検品時に不良が見つかりましたので全額返金させていただきます」

あーキャンセル扱いになったのか、と思ったら、「商品はお送り
させていただきます」とある。えーっ、なに? 送料向こうもちで
本タダでくれちゃうの? びっくり。

届いた本を見ると、確かにあちこちにエンピツで傍線が引いて
あってキレイな本ではないんだけど、もともと高価な本ではないし
文字が読めない訳ではないので、なんか得したような、申し訳ない
ような。まあさすがブックオフというか。こんなことってあるんだねえ。

あ、先日機種変した時の特典商品券が5千円分届いたんで、それでは
藤巻一保『増補改訂版 日本秘教全書』を買いますた。こんな
高い本、めったにサラピン買えない( ̄▽ ̄)

この人の本、面白いんだよなあ、読みやすくて。以前『真言立川流』
って本も読んだんだけど、軽妙な文体で、原始稲荷信仰から
天皇家をも巻き込む中世ダキニ信仰、そして近世の立川流へと
つながる、「キツネ神が綴る闇の日本精神史」を見事に浮かび
上がらせた好著だった。キツネたん萌えの人は必読(?)。

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いらいらする

Posted at : 2009年 / 03月 / 20日
友人から「いい百合ネタ本めっけた」というメール。

佐竹沙織という人の歌集『いけないことですか?』(文芸社)。


アマゾンのなか見検索でちょっと立ち読みしたら、おおっ、これは
いい! 百合な女子高生の、女友達に、先輩に、後輩に、女教師に
寄せる淡い恋心を詠める短歌集。今年の一月に出た本のようだ。

WBC 2ndラウンドで日本代表の順当な勝利を見届けてから、
さっそく入手しようと池袋ジュンク堂を調べるも在庫なし。店頭
取り扱い規模はおそらく日本最大級と思われるこの巨大書店にない
となると、かなり絶望的。想像通りお向かいのリブロでも在庫切れ。

まあ天気もいいし、ちょっと自転車転がして神保町までポタリング。
ここなら一軒くらい置いてるだろ、と思ったが、三省堂、書泉、
東京堂、いずれも在庫切れでありました。

日暮れと共に風が強くなって急に寒くなってくるし、花粉症は
ひどくなって鼻水とまんねえし、どんどんブルーになってきた。

帰宅して紀伊国屋本店の店頭在庫検索かけるも、やはり在庫なし。
最後の望みはアマゾンだけど、ここも在庫なしで、取り寄せの
ため数日かかる模様。あああイライラするうううう!

だいたいですね、わしは一般的社会人の方々と較べるとかなり
ストレスフリーな怠惰生活送っておりまして、めったなことで
イライラすることはないんですが、今日みたいに「読みたい本が
すぐ読めない」という状況はひっじょーにイライラします。
胃液がいっぱい出ます。イーッてなります。

本てのは、「ちょっと読みたいからとりあえず買って(注文して)
おき、ヒマな時読んでみようかな」という物と、「ああもうすぐ
読みたい今日読みたい今読みたい」という物とがありまして、この
本はカンペキに後者。でもって東京に住んでると、よほどの稀覯な
本は別として、「読みたい本が本屋で手に入らない」なんてことは
めったにねえんです。こんなこと久しぶりですよあたくしゃ。

ちなみに教えてくれた友人は、鶯谷の小さな本屋でたまたまめっけた
そうで、そんなギャンブルみたいな本屋巡りできるかあ!

ほんっとにもうイライラしておりますハイ。


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美少女撮りの凄腕カメラマンにしてデジタル写真術の達人・増田賢一
さんの最新刊。

最近はインクジェットプリンターの性能も向上しまくりで、安い
機種とサードパーティ製インクでも「そこそこ」のプリントができる
ようになってるけど、高価なデジイチとレンズ使うんなら、プリント
にもガッツリ凝りましょうよ。ってことでこのムック。

インクの種類からモニターキャリブレーション、色空間、カラー
マネジメントといったデジタルプリントの基礎知識から、プリンター
二大メーカーのフラッグシップモデルや各社高級ペーパーの紹介、
そしてもちろんプリント術の実践まで、ぜいたくなオールカラーで
痒いところに手が届くように詳述されてます。

デジタルの専門的な記事っていうと、ぶっきらぼーで読みにくい物も
少なくないんですが、このムックは見やすいレイアウトと平易な
解説文でとてもわかりやすい。

増田さんは非常に早い段階から作品の発表にデジタルプリンターを
活用されている写真家で、簡潔にして意を尽くした本書の解説は、
その深いノウハウの蓄積ゆえでありましょう。入門者・中級者なら
常に机の上に置いておきたいリファレンス・ムックであります。



[『フォトグラファーのためのプリンター&モニター使いこなし術』]の続きを読む

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『新・萌えるヘッドフォン読本』

Posted at : 2008年 / 07月 / 11日


当節、萌え絵師さん界隈ではやたら『ヘッドフォン娘』の画像が
熱い。聞けばヘッドフォン娘オンリーイベントまで開催された
との話もあり、どーゆーこっちゃと思っていたのだけど、どうも
火付け役はこの本の著者であるテクニカルライター岩井喬さんが
昨年出した同人誌らしい。

人気絵師さんによるカワイイ絵と、ピュアオーディオ界で近年
ブームだというヘッドフォンのテクニカルレビューを合体させる
という企画で、本職のオーディオライターらしく、同人誌であり
ながら全メーカーに許可を得たという非常にシリアスな内容
だったそうな。

で、それが評判(と二次元ヘッドフォン娘ブーム)を呼んで、
昨月めでたく商業出版の運びとなったんだとか。正直、レビューの
方はシロウトには半分も理解できませんが、かわゆいヘッドフォン
少女たちの萌え画集としても充分価値あり(ただし世界的
オーディオメーカー各位にご協力いただいている手前、エロ
成分はありませぬw)。

またリファレンス音源にはクラシック、ジャズ、ハードロック
からちゃんとアニソンまで網羅してあったり、アクアプラスの
音楽スタッフや川井憲次さんへ取材するなど、本の購買層への
目配りもさすが。巻末のSONY、STAXへの取材記事はもう完全に
オーディオマニアオンリー向けになってますがw

そのSTAX(世界で唯一のコンデンサー型ヘッドフォンメーカー
だそうです)のけっこうお歳の社長さんが、しっかり2ちゃんの
STAX板にまで目を通してるとか、なんかすごいw STAX板て…

イラストには絵師さんたちのコメントも掲載されてるんだけど、
少なからぬ人が解説されている高価なヘッドフォンの愛用者
というのにビックリ。もうコレクターみたいな人もいれば、
この絵を描くために数万円の高級品を買ってしまったという
人もいて、やっぱりクリエイティブな人はモノへのコダワリが
強いのねえ。


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ニッポンヌード

Posted at : 2008年 / 07月 / 10日


古本屋で見かけて買ってみた。「1970年代編」というサブタイトルに
惹かれまして。現在も活躍するアダルト写真家・鈴木重機氏の
ビニ本ポジを編集した写真集。

わし的には70年代前半のダサダサな雰囲気を求めていたのだけど、
どーもポジの色合いとかホテルのインテリアとか女の子の髪型から
見るに、ほとんどのページがせいぜい70年代末、ヘタすると
80年代という雰囲気。そーいえばビニ本全盛は80年代に入って
からだもんね。

やっぱ70年代っつったらポジはコダックのPKの赤みがかった色、
おねーちゃんはケバいメイクにチリチリパーマ、そして救いようの
ないホテルのしょぼい内装って三本柱なわけですよ。そーゆー
写真集、もっと出ないかなあ。

もちろん当時のビニ本ではスケていたお肉の部分はきっちり修正
済だし、大股開きよりソフトでキレイに見えるカットを重点的に
選んであるしで、80年代当時のビニ本コレクターに訴えるモノも
あまりない。なんかどっちつかずの本でした。残念賞。




話違うけど『ラジオ腐りかけ』、今まで一時間前後の放送時間
だったのに、今週配信の31回から30分になっちゃった。iTunes
見直したら前回が45分くらいだから、だんだん短くなってんのね。
ゼロになっちゃわないか心配だwwwしかし相変わらず放送中に
ケータイ鳴り放題出放題のフリーダムラジオなわけだがwww

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『言わぬが花』

Posted at : 2008年 / 05月 / 31日


以前どこかでチラッと目にして、75年の篠山紀信との写真対談が
カメヲタ的にとても面白かった小沢昭一師匠76年のエッセイ集。
たまたま根津の古本屋で発見したので確保。

この対談はアサヒカメラ75年8月号に掲載されたもの。以前も
書いたけど、
パンチラ写真論やレンズ論、写真の撮り方撮られ方
など、小沢流写真術が軽妙に語られる。改めて読んでみて思うのは
当時すでに大人気カメラマンだったとはいえ、年齢的には35歳の
篠山が、きちんと聞き手に徹してゲストの話を引き出してること。
カメラマンってあんまり人の話聞かないオレがオレがの人も
多いんだけど、やっぱこーゆー話術を活かした営業力も篠山が
スターになった一因ではないかなあと思ったり。

この本に収録された他のエッセイでも繰り返し、失われゆく日本の
大道演芸への愛惜を語っている師匠だけど、件の対談では、偶然、
70年代当時絶滅寸前だった猿回しを見つけて狂喜かつパニックに
なってフィルムを買いに行ったというエピソードが面白い。ご存知
のように猿回しは90年代から人気が復活、最近はお祭などでも
頻繁に見られるようになり、21世紀に見事に甦った稀有な伝統
芸能の例ですな。


なんでもいいけど、連日雨で寒いっすな。
晴れてる日は夏日、雨降ると10度も下がってガクブルって
たまらん乱高下。寒いと布団が気持ちよくて爆睡できるんで
嬉しいけど。予報じゃ明日は晴れてまた夏日って、体もたんわ!

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